数値演算誤差の結果は理論を支持していたけど、真の係数との誤差は正則化パラメータを増やした方がよいという結果になっていた。例えば、平均値フィルタを真の係数としたときでも、正則化パラメータ=0が最も誤差が大きく、パラメータを増やせば増やすほど誤差が減っていく傾向。

この原因は、LPCは最小位相特性(最速で反応するフィルタ)を持つように等価しているからと推測している。平均値フィルタは、計測される自己相関(パワースペクトル)はLPFのそれに近い。それに等価すると係数としてはインパルス応答に近い形(係数の前半部分にパワーが集中する)をとるから、それは真の解からは遠くなってしまう。要は、LPCでは表現できない係数が存在するということ。

議論の簡潔化や実験設定としても解ベクトルの誤差を判定した方がよい。理論的にも "数値演算誤差の軽減" を目的として議論した方がすっきりする。