「音声の高能率符号化」を読んでいたら、音声データ一般で相関が高い理由が明確に書いてあった。それは、低域の信号をオーバーサンプリングしているからである。 人の声は8kHzがいい所の上限だが、それに対して44100Hzでサンプリングすると明らかにオーバーサンプリングになる。つまり、低域信号はゆっくり変化しているのに過剰にサンプリングされ、相関が高くなる。

この意味でも帯域分割は意味を持ちそうな印象を受ける。ウェーブレットで低域/高域に分けると低域のオーバーサンプリング効果が低減する。実際、相関が下がることを確認している。

ストーリーとしては、

  1. 適応アルゴリズムの収束特性が悪いのは音声データに相関があるから
  2. 相関は低域信号のオーバーサンプリングにより生じている
  3. ウェーブレットで低域信号をリサンプリングすることでレートを下げて扱える、相関は下がっているので有効なはずだ

相関を消すというのもウェーブレット設計の方針になる。